教育データベース

2013.09.26

小学校

体育・保健

下越

平成25年度

動いているボールをバットで打つ技能を習得させる体育授業の工夫

阿賀町立三川小学校 吉井 辰成

 ベースボール型ゲームは、一定回数の攻守を規則的に交替しながら、相手チームとの得点の競い合いを課題として行うゲームである。ベースボール型ゲームのこのような特徴を踏まえ、実際に体育授業で行う場合に課題となるのが、ベースボール型ゲームの経験が少ない児童が、ルールがよく理解できなかったり経験の違いから技能が身についていなかったりし、意欲を失っていくことである。
 そこで、昨年度は、守備側が打った打者の塁に集まる形式の「フィルダーベースボール」を基本に、学習が進むにつれ守備側の集まる人数を減らしていったりボールの大きさを小さくしていったりとルールや道具を意図的に設定して行った。
 昨年度の実践から、基礎技能の向上が見られなかった点、チームのめあてが学習課題となり全体で学び場が少なかった点、楽しく活動していたが児童同士の教え合いが少なかった点が課題として残った。
 今年度は、その課題を解決するために、6年生のベースボール型ゲームの実践において次の3点に取り組んだ。
①単元を通して、打撃の基礎技能の向上を図る手立てを設定する。
②6つの打撃のポイントを関連性や順序性で2つに分類し、単元前半と単元後半の学習課題として、単元を構成する。
③教え合いや関わり合いを増やすため、トスバッティングを導入する。
観察的技能評価や形成的授業評価、診断的総括的技能評価を用いて、手立ての有効性や児童の技能の向上の度合いを検証した。検証の結果、6つの打撃のポイントを学習課題と設定し、児童の実態や課題に合わせた手立てを工夫することで、児童が意欲的に学習課題に取り組み、児童のボールを打つ技能は高まることが分かった。
【引用文献】
・「体育科教育学入門」高橋建夫 岡出美則 友添秀則 岩田靖 (大修館書店)
・「学校体育実技指導資料 第8集」 文部科学省
・「小学校における動いてるボールを打つ指導法の考察」栫井大介 光本允
・「ベースボール型ゲームでバッティングを学ぶための学習課題とその適時性」中井隆司 光本允 金森昭憲