教育データベース

2013.09.26

小学校

理科

中越

平成25年度

科学的な思考力・表現力を高めるための指導の工夫

田上町立羽生田小学校 本田 勇輝

 これまで理科の「もののとけ方」や「電流のはたらき」等、目に見えない世界を扱う単元では、子どもたちに自由にイメージをさせて図を用いて予想を立てたり実験結果をまとめたりする活動を取り入れてきた。しかし、予想や考察をグループやクラス全体で交流する際、図の表現方法が多様になってしまい、互いのイメージ図を理解することが難しく、互いの考えを深めることが難しかった。
 そこで、子どもたちが考えたイメージ図をもとに、共通の表現方法によるモデル図を用いることで、自分の考えをよりよく表現し、互いに交流し合うことができ、科学的な思考力や表現力を高めるのではないかと考えた。5年生の「もののとけかた」の単元で実践を進めた。
 第一実践では、子どもたちのイメージ図からクラス共通の図(モデル図)へ表現方法を統一して予想や考察を考えさせる活動を行った。クラス統一の図を用いることで自分なりの予想を表現できるようになった。しかし、子どもたちのイメージ図から作り上げたために単元を通して図を活用することが難しかった。また、「考察」を図を用いて表現することができない児童が見られた。ものが溶ける様子と図を結び付けて考えることできない。そこで、きちんとモデル図を子どもたちが理解し、使いこなせるようにする手立てが必要だと考えた。
 第二実践では、初めに表現の方法を教師側から提示して学習を進めた。単元を通して用いることができる図にしたため、予想を立てる場面、実験結果から考察を考える場面で子どもたちは図を用いて表現できるようになってきた。また、単元の初め「食塩やミョウバンが水に溶ける量に限度があるか」の学習では、実験でものを溶かしていく過程に沿って図に描く活動を取り入れた。
 表現方法を統一したモデル図を描かせることで、子どもたちに「見えない世界」についてしっかりと考えさせ、自分の考えを表現させることができた。さらに、以前より互いの考えを交流ができるようになった。