思考力・判断力・表現力を高めるためには、次のことが必要であると考える。
① 問題解決型の学習を行うこと。そして、問題解決型の学習を成立させるための、児童が「解決したい」という問題意識の高まり。
② 1単位時間の中に思考・判断をし、「わかったこと」を表現する(書く、述べる)活動の設定。
③ 単元終末の「わかったこと」を明確にし、それを目指して、毎時間の「わかったこと」が積み重なるような単元構成の工夫。
これまでの教材研究を振り返ると、教材の提示方法やタイミングを考えるばかりで、その教材から何を気付かせたいのかを意識せずに行ってきた。また、教師が学ばせたい気持ちが強くなり、児童の思考の流れを予測することが不十分であった。その結果、授業では児童の多様な反応を引き出せず、強引に課題を提示したり、発言を待たずに教師が教えたりすることが多かった。つまり、教師主導の授業を行い、問題解決型の学習を行ってこなかったのである。そのため、思考力・判断力・表現力を高めることが不十分であった。
そこで、次のように改善したいと考えた。
① 学習内容を整理し、教師が「学ばせたいこと」と、児童が「学びたいこと」がずれないようにすること。
② 学習活動が、単元の終末の「わかったこと」に結びついているか確認すること。
③ 問題意識が高まる導入にすること。
以上のことから、「知識の構造図」を活用し、学習内容、教材・資料、単元で目指す児童の姿などを明確にしながら単元構成を行う。そして、単元構成のもと、教材や資料を意図的に提示するなどし、児童の問題意識を高める導入を行う。このようにして問題解決型の学習を繰り返し行うことで、児童の思考力・判断力・表現力を高めていきたい。
【参考文献】
「社会科学力をつくる“知識の構造図”―“何が本質か”が見えてくる教材研究のヒントー」北俊夫 明治図書 2011