教育データベース

2013.09.26

小学校

国語

新潟

平成25年度

小学生の作文における共同編集の効果について

新潟市立東青山小学校 大島 崇行

 作文の学習においてなかなか思うように書けず、学習につまずく児童は少なくない。そこで、このような児童が、進んで文章を書けるような実践を構想した。
 一般的に、作文を書く活動は、「課題設定や取材-構成-記述-推敲-清書-交流」という過程で展開される。活動をしていると、どの過程においても児童のつまずきは現れる。そのつまずきを学習者同士のかかわりによって解決していくことで、どの子も自分の思いを伝えるにふさわしい文章を書くことができると考えた。
 そこで本研究では,どの活動におけるつまずきにも対応できるよう、全ての過程において学習者間の交流を可能にした「共同編集作文」の学習形態を開発した。「共同編集作文」とは次のような学習形態である。
・「課題設定や取材」の段階から共同編集グループを作り、いつでも相談・助言をしてよい環境を作る。
・それぞれが目的に合った文章を書くことを目指し、かつ、班のメンバー全員も目的に合った文章を書くことができることを目指す。
・お互いが「執筆者」と「編集者」になり、積極的に協力し合ってよりより文章をつくることを目指す。
 この実践を通して明らかになったのは、次の3点である。
1 どの活動段階においても、児童はグループ内で相談し合うことによってより相手に伝わる表現を見つけたり、新たなアイディアを生み出したり、修正し合ったりしている。
2 作文の清書の後には、自分の納得のいく文章を書けたと感じていた児童は多い。
3 全部の過程において交流を可能にする「共同編集作文」の学習形態を、子どもたちはよりよい作文を書ける学習形態だという思いをもっている。
 これらにより、「共同編集作文」の学習形態が、児童の創作意欲を持続させ、表現活動を豊かにし、また児童の学習に対する満足度も高めていくことが分かった。