教育データベース

2013.01.13

図画工作・美術

中越

平成25年度

表したい思いをもって表現し、互いに伝え合う子どもを目指して

長岡市立上通小学校 清水 克朗

1 研究仮説

 導入時に物語性のある状況を設定し、自らのストーリーを考えさせることで、表したい「思い」をもって表現し続けるように促す。さらに、制作後に作品に込めた「思い」を見つめ直して文章化し、楽しく伝え合う場を工夫することで、自分の「思い」を基に表すことのよさを実感することができるであろう。

2 研究の実際
 実践1「行ってみたいな ぼく・わたしの世界」(対象:4年生26名)

教師の選んだ絵本の一場面をプロジェクターで図工室の壁面一杯に映し出し、全員でその世界に浸る。次に、自分の入ってみたい絵本を選び、プロジェクターで映し出し、その中でポーズをとって写真を撮影した。その後、自分が行ってみたい世界のオリジナルの物語を考えてワークシートに記入し、その世界を絵に描いた。

絵が完成したところで、子どもの絵をプロジェクターで映し出し、その中で全身を使って発表する活動を行った。

 実践2「学校の守り神」(対象:4年生26名)

 「夏休みのある日、誰もいないはずの教室からギターの音が・・・。不思議に思ってビデオを設置しておくと衝撃映像が撮れた。」と話し、教師自作の教室の守り神のコマ撮り映像を見せた。その後、学校に住む守り神を想像し、性格や特徴をワークシートに記入した。

 作品の完成後、昼休みを使って、全校の子どもたちに守り神の紹介をする活動を行った。

 どちらの実践でも、子どもは、自分のオリジナルストーリーを基に制作を続け、教師に「描けない」と訴えたり、「どうすればいいか分からない」と尋ねてきたりする子どもの姿は見られなかった。また、発表場面で、友だちに作品の良さを認められ、うれしそうにしていた。