教育データベース

2013.01.13

社会

新潟

平成25年度

資料の読み取りをとおして考えをもち、思考力・判断力を高める社会科の授業づくり  

新潟市立東曽野木小学校 石塚 智久

社会科における思考力・判断力の高まりは、把握させたい社会的事象の部分である資料の読み取りから始まる。それゆえどのような資料をどのような形で子どもに与えるかという資料選定と資料提示の手立てが、思考力・判断力育成の鍵となる。その手立てを考える際に、資料の「射程範囲」と「役割」という二つの視点をもつことが有効である。
「射程範囲」とは資料がもつ情報の意味合いや限界性であり、主に資料選定の視点である。ねらいや実態から考えて、「射程範囲」が適切かを吟味することで、読み取りを深める資料選定につながる。また、「役割」とは主に資料提示の視点である。ねらいに則して「興味を喚起する資料」「気付きを促す資料」「考えを裏付け、深める資料」という「役割」を明確にし、意図的・計画的に提示する。思考の高まりを促す単元や本時の構想につながる。
複数年に渡る同一単元の修正実践とその比較から、「射程範囲」と「役割」を意識した資料選定と資料提示がいかに思考力・判断力の高まりに作用するかを検証した。修正実践後の子どものノートからは、資料を比較したり関係付けたりして考えを深め、社会的事象を正しく把握している記述が見られた。