ボール運動の授業では、意欲的に動ける児童と動けない児童の差が大きい。その差を縮めるためにまず高めたい力は、どう動いたらよいかという状況を判断する力ではないかと考える。そこで、ハンドボールの授業において、学習課題の設定と個人チャートへの記入によって考えてから動くということを繰り返し経験させる。
①児童の実態に即した学習課題の設定は、無理のない運動への思考を生み、状況を判断しながら動きを決定することにつながった。
②チャートへの書き込みによって、児童が動きを意識しながらゲームに臨む姿が見られた。
③児童の運動技能の高まりに応じて、自分なりに動きを広げることができ、動きを意識してゲームに参加することで、サポートの動きやパス、シュートの質が向上した。
このように、児童の運動への思考や技能の高まりに即した課題を設定し、個人チャートに記入しながらゲームに臨ませ、状況を判断する力を高めることは、サポートの動きや味方のサポートへのパス、フリーでのシュートの動きを引き出すのに有効である。