“図形の証明の単元における生徒の困り感の解決のために,私は全国学力学習状況調査や各社の教科書分析,今回の参考文献である「教えたくなる数学 学びたくなる数学」を読み解き,その指導の工夫を模索した。その結果,図形の証明において,事柄が成り立つ理由を筋道を立てて考え,証明するには,結論を導くために必要なことを明らかにしたり,与えられた条件を整理したり,着目すべき性質や関係を見いだしたりして生徒が仮定から主体的に多様な結論を見いだす場が必要であることが分かった。
そこで,私は先述の参考文献の先行実践に着目した。そこでは,図形で証明すべき結論をゴール,導くために必要となる前段のステップをサブゴールとし,サブゴールの十分な習得に手立てを講じていた。私は,サブゴール習得について,本校の生徒の実態に合うようICT機器等を用いて仮定や条件等を視覚化することでよりよい理解を図ろうと試みた。
実践では,図形ソフトやまなボード,タブレットPC等を用いて図形の合同,等長,等角を周囲と会話し確認しながら式で表したり,証明の筋道を確認したりする生徒の姿が見られた。また,H29全国学力学習状況調査の問題を実施した。結果は全国,県,当校と比較して,正答率が上回った。
“,令和元年度”