“誤答の提示をし,「なぜそれが誤りであるのか」を考える学習活動は,正答を求めるのみの学習に比べると,子どもにとっては既習内容とのずれを明確にすることができる。既習内容を根拠に説明する必要性も生まれるため,論理的思考力が高まると考える。
これまで誤答の提示には「教師が提示する」「教科書の問題として提示する」「子どもの誤答を取り上げて提示する」などの方法があった。本実践では,もう一つの提示方法として「子ども自らが誤答を考え出し提示する」方法を取り上げる。
子ども自らが誤答を考え出す活動を行うことは,子どもを「学ぶ立場」から「教える立場」へと移行させる。そして,子ども自身が学習の過程にあった既習とのずれを意識し,獲得した学習内容を再確認することにつながる。また,多様な誤答を取り上げ「引っかかりポイント」と「解決技」を検討することは,多面的な見方・考え方を働かせ,根拠をもって考えを深めることにつながると考えた。
5学年「小数のわり算」の単元で実施し,検証を行った。”,令和元年度”