“ 小学校学習指導要領解説 国語編では、全ての領域に、自分の考えを形成する学習過程「考えの形成」を位置付けるなど学習過程を再整理して明示された。これは、ただ活動するだけの学習にならないよう、活動を通じて育成する資質・能力を明確に示すためであるという。例えば、高学年「読むこと」の「考えの形成」では、「オ 文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめること。」とある。このことから、考えを形成する際には、叙述に基づき、それを解釈して読むことで自分の考えをつくることが求められていることが分かる。さらに、次の過程の「共有」では「カ 文章を読んでまとめた意見や感想を共有し、自分の考えを広げること。」とある。ここでも、求められていることは「文章を読んで意見や感想をまとめること」である。
しかし、私の今までの実践を振り返ると、言葉を手掛かりに考えるように子どもたちに求めてはきたが、そのための具体的な方策を示すことができていなかった。また、個の読みをさらに深めさせるためのグループ等での学び合いでも、具体的な手立てを示せずに、互いの考えを発表し合うことに終始してしまっていた。こうした課題を解決するためには、三角ロジックの活用が有効であると考えた。
本研究では、三角ロジックを知らない児童に、三角ロジックの考え方や使い方を教え、叙述に基づき、解釈して読むことで、自分の考えをまとめさせる。その後、考えを深める段階で、三角ロジックを有効に活用させ、互いの考えを比較し、友達の考えを取り入れたりしながら考えを深め、広げる(自他の読みを関連付け、読み(解釈)を深めたり、新たな視点に気付いたりすること)ことができるかを明らかにし、「叙述と解釈に基づき自分の考えを論理的に形成する子どもの育成」を目指す。
“,令和元年度”