教育データベース

2019.03.12

特別支援学校

新潟

平成30年度

生徒が自己肯定感を高め、意欲的に活動に参加する姿を目指した指導・支援の在り方

新潟県立江南高等特別支援学校 伊藤 宏之

 生徒の自己肯定感を高め、「これをやりたい」という思いや目標をもち、意欲的に取り組む姿や周囲と関わる姿を目指した研究です。
 「構成的グループエンカウンターや教育相談などを通して、自己理解・自己受容を促すことで、生徒の自己肯定感が育まれるであろう」という研究仮説を基に実践を行いました。主な実践は以下のとおりです。
1 「見付けよう!友達の良い所」
 友達同士でお互いの良い所を伝え合う活動を行いました。授業後には、「自分では気が付かなかった良い所を友達に言ってもらえて嬉しかった」と感想を述べていました。
2 「みんなでリフレーミング」
 様々な見方で物事を捉えられるように、自分が短所だと思っている所を教師や友達からの助言を基に前向きに考える活動を行いました。
 例えば「集中力が続かない」という短所を「いろいろなことに興味がある」と考えることができました。授業後には「短所をプラスに考えたことがなかったので、面白かった」と感想を述べていました。
3 認知行動療法の考え方を取り入れた教育相談
 コラム法の理論に沿って、教育相談の中で進路指導を行いました。①不安に思っていること、心配なこと ②どうすればよいか ③これからどうしていくか の3点について視覚的に整理して教師と一緒に考えることで、前向きに挑戦してみようという気持ちをもつことができるようになりました。

本研究を通して、有効だと考えられる支援は以下のとおりです。
1 自己理解を促すために、よいところを友達や教師から伝える活動やよい姿を捉えて称賛や励ましを繰り返し行ったこと
2 様々な見方で物事を考えられるように、様々な見方や考え方があることを示したり、聞いたりする機会を設けて、考え方の幅を広げるようにしたこと

 今後は、それぞれの実践の意義を整理するとともに、他の職員との連携を図りながら計画的に指導・支援を行っていきます。