社会的能力の未学習や誤学習による学校への不適応や様々なストレスを抱える児童・生徒が多くなる中、学校教育全体を通して「育てる教育相談」の必要性を感じ、実態に応じた実践を進めてきました。
本実践では、学級経営における「育てる教育相談」の取組や気になる子への個別支援について、発表をします。
実践① 向社会的能力を高める支援のあり方
褒められたり、感謝されたりすることで周囲から認められていると感じられ、様々なことへの意欲が高まるのではないかと考え、他者から感謝されるような行動(向社会的行動)を増やすために、二つの実践を行いました。一つ目は、向社会的行動を行おうとする意欲を高めるために、教師や周囲による称賛や承認を伝える取組。二つ目は、向社会的行動を意識させるために、生徒がその行動のよさや意義について考える取組です。
教師の言葉掛けのもつ効果と、生徒が関わりの中で学ぶ力を実感することができました。
実践② 「自己カウンセリング力」の育成
自分の思い通りにいかずに落ち込んだり、イライラに振り回されて失敗したりすることがあります。感情に振り回されずに、自分自身で困難を乗り越える力を「自己カウンセリング力」といいます。自己カウンセリング力を身に付けるために、三つの取組を行いました。一つ目は、自分の性格や得意不得意を自らが知る「自己理解」の活動。二つ目は、喜怒哀楽の「哀しみ」に対して、物事の捉え方を変えてみる「リフレーミング」。三つ目は、「怒り」に振り回されないようにする「アンガーマネジメント」。
自分の性格を知った上で、生活の中で「リフレーミング」と「アンガーマネジメント」を適切に行える「自己カウンセリング力」を身に付けるための、学級での取組を紹介します。