学習指導要領(平成29年3月公示)の各教科の「指導計画の作成と内容の取扱い」で、「障害のある児童などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと」としています。
特別支援学級の児童は、同年代の児童と関わりながら、様々な活動に参加し、児童に関係する全ての人が支援者となっています。個々の障害の特性を考慮した支援の構想を行い、特別支援学級児童が交流する学級担任と共に単元や教材を開発することで、教科の目標に迫ることができると考え、実践に取り組みました。
研究を進めるに当たり、3年社会「未来につなぐ長岡花火」の単元で、次の3点の支援を構想しました。
1 板書をノートに書き写すことへの意識付け
板書が学習したことの要約であることを伝えます。交流学級担任に注目することを伝えたり、注目して書き始めることができたことを称賛したりします。また、振り返りの際、自分のノートや資料を読み直し、分かったことを自分の言葉で表現できたことも称賛します。
2 毎時間の振り返り方の固定化
振り返りの際「ぼくは、〇〇が分かりました。」と書くように伝え、毎時間同じ振り返り方をします。その際、振り返りの内容を特別支援学級担任が問い返し、必要に応じてノートを読み直すように伝えます。
3 交流学級担任と協働の教材づくり
交流学級担任から学習で使う教材を前日までにもらい、特別支援学級児童が使いやすいように教材を改変します。また、交流学級担任から授業の流れを聞き取り、交流が生まれるように必要に応じて教材を提案します。
上記の支援を行ったことで、自分から板書に注目したり、板書をノートや資料に書き写したりできるようになりました。また、振り返り方を固定し内容を問い返したことで、学習して分かったことを自分なりの言葉を使って、問い(◎)に正対した振り返りをすることができるようになり、教科の目標に迫ることができました。