全国学力・学習状況調査の結果から、具体的な場面で、一元一次方程式をつくることに課題が見られた。また、今までの指導の中で、過不足に関する問題への苦手意識をもつ生徒が高いと感じている。
本研究では、文章題の逆思考から順思考への転換場面において、そのギャップを埋めるため、偽仮定法を導入する。その後、真仮定法を導入することで、順思考で考えるよさを実感させる。また、表した式の単位を問うことで、その式がどのような数量を表しているか、そして、二つの式の数量関係を意識して立式することができると考えた。
授業では、文章題の1時間目で偽仮定法の導入を行った。2時間目に過不足問題を取り扱い、偽仮定法を用いて式の検討を行った。また、式の単位を問い、たてた式の数量関係を意識させた。
本研究で、生徒は過不足問題について正しい数量関係を捉え、立式できる力をつけることができた。今後も、偽仮定法が過不足問題の立式に有効であることを追究していきたい。
「教えたくなる数学 学びたくなる数学~思考力・判断力・表現力を育成する教材解釈・構成~」
神林信之/風間寛司/星野将直/井口浩/小嶋修/渡部智和 考古堂書店