本研究では、児童の計算の意味理解をより深めるために、自分の考えが仲間に見えるように工夫して話合いの場を設定した。特に、協働場面におけるホワイトボードの効果的な活用を探ることで、児童の理解が深まり筋道立てて表現する力がはぐくまれるかを検証した。
小学校第4学年「小数のかけ算・わり算」と第5学年「小数のわり算」の単元において、実践を行った。「自力解決場面」「グループ・全体場面」で考えを可視化し交流したことで、自分の考えを確かなものにしたり新たな視点を得たりする姿を目指した。
〈実践の実際・考察〉
グループでボードに記入する活動をしてから1人1枚でボードに考えを記入する活動を通した。さらに全体の場で可視化されたいろいろな考えと交流を図った。
ボードを用いて考えを可視化したことで、考えの交流がスムーズになるだけでなく、お互いの考えの共通点を捉えやすくなった。自分の考えと比較しやすくなったことで、小数の計算において新しい視点を得る、考えを確かにするという点で有効であった。グループで1枚のボードに考えをまとめる場面では、お互いに意見を交流すると同時にボードに意見を加えたり修正したりしながら考えを深める様子が見られた。ボードに考えを表現する場面では、どの児童も意欲的に取り組む様子が見られ、その後の交流でも主体的に学習に臨む姿が見られた。自分の考えを伝えたいと交流を活性化することにつながった。
〈成果と課題〉
本研究の成果から、ホワイトボードを活用し、自分の考えを可視化して他者と交流する学習活動は有効であるといえる。今後、他の単元でも実践を積み重ね、「主体的・対話的で深い学び」を促していく。