教育データベース

2018.11.09

小学校

生涯学習

新潟

平成30年度

ローカルアイデンティティ形成のための取組

新潟市立上山小学校 杉山 克也

 昨今の子どもたちは様々な体験不足、経験不足を一要因として自己肯定感が低いことが言われている。そのような子どもたちに自信をもたせるには、様々な活動の中での成功体験や生活の中で周りの大人から認められること、そして、人格形成のバックボーンとして、ローカルアイデンティティの形成が必要であると考えた。
 ローカルアイデンティティとは、個人の地域に対する帰属意識であり、個人のアイデンティティを構成するローカルな要素である。ローカルアイデンティティを形成することによって、子どもたちに地域への参画意識やこれからの所属集団への帰属意識、人との関わり方が高まるであろう。当校の子どもたちにとって、小学校時代に地域の風景や人、歴史や文化等の地域性に触れ、それらを一要素として、個人のアイデンティティの形成をゆるぎないものにすることができるのではないかと考えた。
 本研究では、地域と連携した学校行事の全校ふれあい遠足を通して、子どもたちが身に付ける資質・能力を明確にし、子どもたちの自己評価と全校ふれあい遠足に関わった職員、保護者・地域ボランティアが子どもたちの姿を評価(360度評価)した。
 子どもたちの自己評価と360度評価から、子どもたちは「地域に関する体験知」「異年齢集団における協働性」「地域に関する思いの表出力」を身に付け、ローカルアイデンティティ形成の一助となったことが分かった。