これまでの授業を振り返ると、じっくり考えたり他の意見を比較したり、他者に説明したりする場面が少ない。そのためか、レポートの考察の記述に思考の深まりが見られない。そこで本研究では、ジグソー活動を取り入れ、下記に示す三つの手だてを講じて思考を深める生徒の育成を目指した。
1 生徒が興味関心をもてる課題の設定
生徒が思考を深めるためには、生徒が興味関心をもって課題を追究することが大切である。そこで、実社会や実生活に関連付けた題材や課題を設定する。
2 ジグソー活動を組織する(多角的な追究)
・検証実験と考察
仮説を基に学級全体で検証方法を考えさせる。学習班ごとに検証実験を分担し、検証させる。検証の結果を考察し、課題に対する理解を深める。
・分かったことを交流し深化させる
ジグソー活動の特性を生かし多角的な追究となるよう支援した。また、ホワイトボードを使い、思考の過程が見えるよう発表の仕方を工夫させる。
3 思考を深めるための考察
考察では、学習を通して調べたことを活用し、実社会や実生活と関連付けた視点で考察を書くよう指導した。
上記の手だてにより、レポートの考察や振り返りシートの記述を分析し、実生活や実社会と関連付けて考察しているかどうかを見取り検証した。
<参考文献>協調学習授業デザインハンドブック-知識構成型ジグソー法の授業づくりー東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構