新学習指導要領において、「どのように学ぶか」が明記され、「主体的・対話的で深い学びの視点からの学習過程の改善」が必要とされている。
これまでの自分の授業を振り返ると、「課題を提示→自力解決→グループや学級全体で交流」の流れで対話的な学びを目指してきた。しかし、自力解決の時間に自分の考えが思いつかない児童が少なからずいるのが実際だ。自分の考えをもてない児童は、その後の交流の時間も思考の姿が見えず、学びが成立していない現状がある。
そこで、あえて自力解決の場を設けず、話し合いながら自分の考えをもつことができる場を設定する。そのためには、話しやすくする意図的なグループ編成と日常における話し合うスキルの育成が必要になると考えた。そのことにより、算数科において大切な考え方や知識を獲得できると考える。
6年生「分数のわり算」「小数と分数の計算」の単元において実践研究を行った。授業における児童のグループでの話合いの様子や学級全体での児童の関わり合いの様子を検証した。
二つの実践では、自力解決の場がなくても、児童は「こうすればいい」や「これはどうだろう」と友達と関わり合いながら自分の考えを構築していく様子を見ることができた。日頃から話合いスキルを育成し、意図的なグループ編成と自力解決のない話合いの場を設定することが、子どもたちが生き生きと対話し、考えを構築し、算数の学びへとつながる有効な手だてであることが分かってきた。