授業の質的な改善を目指し、「主体的・対話的で深い学び」の具現化が望まれる。「数と計算」領域の単元では、教師が筆算の仕方を教え、その後は習熟問題を解決する授業が多かった。子どもの意欲や技能に差があることも課題だった。そこで本実践では、「主体的な学び」に焦点化し、「数と計算」領域の授業において、子どもの思考を予想した以下の二つの解決過程を取り入れることにした。
1 「誤答、非効率的な解法の提示」による筆算の仕方の確認
教師が誤答や非効率的なやり方を全体の場で示す。子どもが考えそうな誤答に焦点をあて、誤りに気付かせていく。アルゴリズムの確認をすることで、大事なポイントを把握し、難しい筆算も自力解決できるようになった。内容によっては、簡単な学習問題を出し、意味理解の定着と習熟を図ることもある。
2 虫食い算の設定と提示による問いの共有化
アルゴリズムを確認したところで、あえて少し難度の高い虫食い算を子どもに提示する。これにより、子どもは数の関連性に目を向け、異なる式もできないか意欲的に思考を始める。数の感覚を自然に養うことにもなる。
自分自身も苦手にしていた「数と計算」領域において、こうした2段階の解決過程を取り入れることにより、主体的に算数の学びに取り組む子どもの姿を表出させることができた。今後も算数の楽しさを味わわせるために、授業の質的改善を着実に進め、「主体的・対話的で深い学び」の具現化を図っていく。