教育データベース

2017.11.07

中学校

生涯学習

平成29年度

青少年教育施設におけるUDL(ユニバーサルデザインフォーラーニング)のあり方

新潟県少年自然の家 笠原 良樹

 現在、多くの学校で、UDLの考えに基づいた「だれもが分かる授業づくり」が行われている。UDLの考え方を青少年教育施設に取り入れ、これまでの体験活動等を見直し、どのような手だてが有効かを検証し、学校の宿泊体験学習等で生かせる場面を考察した。
 UDLの視点から、当施設の特徴的な体験活動の「カヌー活動」と、主催事業の「はつらつ体験塾」を見直し、課題解決のために「活動に見通しをもたせるための工夫」と「視覚化や音声の拡大による確実に情報が伝わるための工夫」の2点の手だてを講じた。
 カヌー活動において、活動の冒頭に一連の流れが分かるような紙芝居プレゼンテーションを提示して、活動の見通しをもたせるようにした。また、実習者がカヌーに乗る時には、ホワイトボードでコースを示した。加えて、ポータブルアンプを活用して音声を拡大し、指導に当たる所員の音声情報が確実に実習者に伝わるようにした。
 「はつらつ体験塾」において、初日のオリエンテーションで、1泊2日(もしくは、2泊3日)の日程を拡大したものを提示し、どのような日程で事業が進められるかを示し、参加児童生徒が見通しをもつことができるようにした。また、参加児童生徒に、次の活動の情報を伝える際には、活動の内容と開始時刻、場所、持ち物等を端的に文字情報に表し、聞き手の注意を引き付けたり視覚的手がかりを与えたりして、必要な情報がより確実に伝わるようにした。
 今後は、その他の体験活動等も、UDLの視点から見直し、利用者の満足度を高められるようにしたい。また、施設環境のUDL化についても継続的に取り組み、分かりやすい、使いやすい青少年教育施設を目指していく。