これまで私が学級の問題だと考えることを児童に伝えて、進む方向性を示しながら、児童が「よくなった」「できた」と成長を実感できるように指導してきた。これは児童の主体的な活動とは言えない。そこで、よりよくなろうと話し合い、学校生活の向上を実感し、課題に気付き、次の活動の目標をもつことができるようなサイクルを繰り返し作っていく児童を「主体的に活動する児童」とする。そのような学級活動のサイクルを以下のように設定した。
→P(学級会)話合い活動により、よりよい集団決定をする
→D(実践活動)Pで決まったことを実践する
→C(事後指導)Dの達成度の評価と振り返りをする
→A(事前指導)Cによる振り返りから新たな目標や改善策をもつ
このような学級活動のサイクルを繰り返すことによって、児童にはよりよい人間関係や生活の充実について考えさせたい。
しかしながら、これまでの自分の実践ではC(事後指導)からA(次の活動の事前指導)へとつなぐことに課題を感じている。学級の現状を課題として捉えることができない児童や、自分の思いをもっているのに表現することが苦手な児童もいる。
以上のことから、児童一人一人の思いが学級全体に共有されるような支援、工夫をし、振り返りを丁寧にすることで、主体的に活動する児童が育つと考える。研究テーマ達成に向けて次の手だてを実施し、その有効性を検証した。
1 一人一人の思いが学級全体に共有されるアシスト発言
少人数での話合い後は、自分の考えと友達の意見を比べながら発言させる。
2 児童の思いの視覚化
様々なアンケートの結果を数値化したりグラフ化したりして示す。また、振り返りの記述を児童全員が読めるように配付したり、掲示したりして示す。
3 振り返りの書き方の提示
振り返りを記述する際に次の3点を示す。
①最初の自分の考え②考えの変化と理由③次の活動に向けて
<参考文献>
文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター
「楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動小学校編」