英語が苦手な生徒をいかにやる気にするかが、英語学習における重要課題である。英語の「聞く・話す・読む・書く」の4技能別にみると、まとまった英文を読むことを苦手と感じる生徒が多いという中学生の一般的な傾向が、各種アンケートから捉えられる。そこで、本研究では、4技能のうち、「読むこと」=「リーディング」に焦点をあてる。まとまった英文を読むことに生徒が意欲的に取り組み、読む技能を身に付けることができるようになることをねらいとしている。
具体的な手だてとして、次の3点を研究内容として取り組んできた。
1 読む目的の提示
コミュニケーション達成の視点から「何のために読むのか」を、読む活動に入る前に明確に生徒に提示する。これにより、生徒が目的意識を明確にもち、コミュニケーション達成のために意欲的にリーデイングに取り組むようになることをねらっている。
2 リーディングに取り組む際の*1)タスグの工夫
リーディングタスクを工夫することが、生徒の読む力を伸ばすことにつながる。読み物のジャンルや活動形態との組み合わせにより、様々なタスクを検証する。また、本研究では、それぞれのリーディングタスクに*2)サブスキルを関連付けて設定する。
3 リーディングの指導過程の提案
コミュニケーション達成の観点から、リーディングのそれぞれの指導過程(pre-reading、 while-reading、 post-reading)を研究実践し、提案する。
これらの実践研究を通して、生徒がまとまった英文を読むことに以前より能動的に取り組むようになり、生徒一人一人に読む力の高まりを実感させることができた。
*1)タスク:まとまった英文を読む際に提示する、読む目的を示す学習課題
*2)サブスキル:英文を読み取る際に役立つ、具体的な技能