地域と学校が課題を共有し、その課題解決に向けた協働による学びを通して、
未来を創る子どもを育てる教育活動を行っています。
想像を超える速さで変化している社会状況や学校を取り巻く環境に対して柔軟に対応しながら、
子どもたちを育むために新たな教育課題に対応した実践的指導力を高める取組をすすめています。
人の子の師である教師は、無限の可能性を包蔵する子どもの人格を形成するものである。しかも、教育の盛衰は国家民族の隆替にかかわるだけでなく、世界の平和と進展に日本国民が大なる役割をはたすことができるか否かに通ずるものである。このような教育の道に志し、それに努めたわれらは、この社会的責任の重大さに深く思いをいたし、使命感に燃えなければならない。
教師に課せられた厳しい責任と使命を自覚する者は、まず、みずからの人生観、世界観の確立を期してはげしくおのれを鍛えようとする。そのために、われらはつねに先人の業を尋ね、同行の友と睦み、次代に期待しつつ相互に教示し錬磨の道を歩む。
教育は国家百年の大計であり、個人を超えた永遠の生命である。したがって、教師たるものは時運にまどわず、歴史を省み、将来をおもんばかり、みずからの生命も生生躍動し、前進するものでなくてはならない。
われらは終生この本旨を堅持し、崇高な理想を追求しようとする者の総力を結集し、
もって教育の進展と社会の進運に寄与しようとするものである。
常緑の「松」は、ときわ会のシンボルツリー。
ときわ会150周年に向けた私たちの「未来図構想」です。
昨年度、ときわ会は、創設150周年記念事業を執り行いました。そこでは、150年の歩みを振り返るとともに、新たな一歩を踏み出すことへの決意が語られました。ときわ会の未来と可能性を紐解くために、今私たちが考えなければならないのは、「ときわ会の今を見つめ、何をすべきかという未来への構想」です。キーワードは、「今を見つめる」と「何をすべきか」です。
1 ときわ会の今
まず、ときわ会の今を見つめてみます。
まだ記憶に残っていると思いますが、150周年記念事業の一つに、真価を問う13の問いがありました。それらの問いについて、様々な人と考えを交流した後に、その時点での自分なりの回答文を全会員がオンライン上にアップしました。そして、それをワードクラウドで処理しました。皆さんがアップした回答文が分析され、使われた頻度が高い言葉ほど大きく真ん中に表示されました。私は、それを見て、会員 3000 人の思いが、表されているのだと重く受け止めました。
私は、問10に着目しました。なぜなら、これまでのときわ会の姿が、表れると考えたからです。問10は「これまで、ときわ会から何を学び、得ることができたか」です。そのワードクラウドの画面には、「学ぶ」という言葉が一番大きく、次に「つながり」「大切」が出ています。これをつないで文にすると、「つながりを大切にして学んだ」または「つながりの大切さを学んだ」となるのではないでしょうか。ときわ会が、人と人とのつながりを大切にして、互いに学び合ってきた姿が見えてきます。
では、今のときわ会はどうでしょうか。私は、ときわ会で得られる、もっとも大切なものの一つである、人と人とのつながりの強さが小さくなってきているのではないか、ということを懸念しています。この人と人とのつながりの強さを、ひもで例えるなら、つながりが強いということは、まず、ひもの数が多いこと、つまり、たくさんの人とつながっていること、そしてそのひもが太いこと、つまり、つながりの関係が深いことを表します。ときわ会全会員のつながりの強さ、全会員のすべてのひもの数と太さの掛け算が、小さくなりつつあるのではないかということを心配しているのです。もちろん、新型ウイルス感染の影響を無視することはできません。しかし、新型ウイルスが発生する前から、つながりの強さが小さくなりつつあったと、感じていた人も少なくないのではないでしょうか。
人と人とのつながりを強くするには、人と人とが交流する場面が大切になってきます。例えば、対面で集う方がつながりは強くなりますし、一人一人が語り合うことの方がつながりは、強くなります。要するに、手間暇がかかることにより、人のつながりは強くなるのです。
もちろん、昔に戻すことだけが、良いわけではありません。互いの様々な状況に配慮しながら、より活動しやすい方法を工夫しながら、それでも、私は、人と人とのつながりを大切にしたいと思うのです。そして、私以外にも、同じような思いの会員がいることが分かりました。
150 周年記念式典の前日、9月30日に前日準備がありました。当然ながら、役員が準備作業に当たりましたが、新潟市及び近隣の会員に前日準備作業のボランティアを募りました。20人の会員が、それに応えてくださり、役員とともに準備に取り組んでくださいました。その際、私は、何人かに、どういう気持ちでこのボランティアに応募したのか聞いてみました。ある人は、次のように話してくださいました。
「自分の同期の仲間が、実行委員や未来委員として頑張っているので、声を掛けたい、協力したいと思った。そして準備作業の中で、人とつながりたいと思った。」
150周年記念事業への思いが参加理由なのではないかと予想していたのですが、そこで語られたのは、仲間への思いと人とのつながりでした。私と同じ思いをもつ方がいたことをうれしく思いました。
2 何をすべきか
次に、何をすべきか、です。これは明白です。会則でも「この会は、会員の資質向上に努め、もって本県教育の振興に寄与することを目的とする」とあります。ときわ会は、会員の力を高めて新潟県の教育をより良いものとしていく集いです。
このことは、明白な上に、すでに会員の皆さんの胸に強く宿っています。 真価を問う問いの問12は「今後ときわ会は、どのように進化、深化していくべきか」です。このワードクラウドを見ると、ほかの言葉よりもはるかに大きく「研修」という言葉が真ん中にあります。その周りに「深める、学ぶ、高める」などの言葉があるのです。このことからも、会員の皆さんの思いは、研修を充実させ、自らを高めていきたいと望んでいることが分かります。様々な会合でも、同様の思いを聞き、感じることができます。心強い限りです。
何をすべきかは、明らかであり、ときわ会は、これからも研修の充実に向けて全会員が努力を重ねていくのです。その際、人と人とのつながりを大切にした研修の在り方を考えていきたいと思います。
改めて、ときわ会の未来と可能性を紐解くために、私自身を含めた全会員にお伝えします。それは、ときわ会との関わりにおいて「自分の今を見つめ、何をすべきかという未来への構想」をもってほしいということです。一人一人が、自分のために、そして仲間のために、今を見つめ、何をすべきかを考えていきたいと思うのです。それが、150年を経たときわ会を新たなときわ会へと前進させる力となります。特に、今日、お集まりの皆さんは、ときわ会の様々な組織においてリーダーやマネージャーを担っている皆さんです。皆さんには、先頭を切って考えてほしいと思います。私も、しっかりと構想を立てます。そして、構想だけで終わらせず、着実に歩みを進めていくことをお伝えして、あいさつといたします。