生徒が社会的事象を深く理解していくためには、資料から得た事実を基に自分の考えをもち、自分が考えなかった(考える時点で思いつかなかった)視点と出合い、考えを強化したり加えたり、再認識したりする必要がある。資料から読み取った事実が考える出発地点になるので、生徒が考えたくなる(手軽、身近、生々しい)資料と出合うことが必要である。
今回は以上のことを意識して二つの実践を行った。
実践①「地方自治と住民参加」
実践②「第二次世界大戦と国民生活~見附町の様子と長岡空襲を通して考える~」
実践の中で二つの手だてを用いて、この理解を深めることを目指した。
1 手軽で、身近で、生々しい資料との出合い
生徒が社会的事象について考えていく出発点となるのが資料である。今回は、生徒にとって手軽に手に入り、身近で、生々しい資料を使うことを意識した。実践①では「広報見附」を用いて、見附市の財政について考えた。実践②では「昭和20年の新潟日報と昭和35年の見附新聞」を用いて、戦中の人々の生活について考えた。
2 自分と他者の意見を比較する
自他の意見を比較することで、自分には無かった考えを知ることができ、自分の考えを再認識することが出来た。また、資料から読み取り、自分の考えをもった上で、他者との比較の中で思考していくことで、社会的事象について個の理解が深まると考えた。