教育データベース

2016.10.12

小学校

体育・保健

下越

平成28年度

「思考力」を向上させるための水泳授業に関する研究

佐渡市立金井小学校 三本 雄樹

 2013年、国立教育政策研究所より、思考力を中核に位置付けた21世紀型能力が示された。
 関西体育授業研究会(2015)は、「学校での体育授業ならではのよさは、仲間とともに学び合い、高め合えること・・・他の領域と違って、水泳学習では、技能差が大きいです。しかし、そのことにより学び合う活動が可能になります。」と述べている。
 そこで、本研究では、技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた水泳授業を実施した。これにより、「21世紀型能力に示されている思考力」を向上させることができるようになると考えたからである。
 具体的な手だては以下の3点である。
1 技能差のあるバディシステムによる「学び合い」
 5年時の児童の泳力を参考に、クロールで25m以上泳げた児童とクロールで25m泳げなかった児童とに分け、技能差のある男女別のバディシステム(2人1組)を編成した。
2 「学び合い」を可能にする「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージの共有
 まずは「ゆったり泳ぐ」泳ぎと「速く泳ぐ」泳ぎの2つのイメージで授業者が泳いで見せた。その後、「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージを児童に言語化させた。そして、児童が言語化したイメージや手と足をゆっくり動かすことを単元を通して意識させた。
3 「学び合い」を活性化させる「水泳攻略カード」の活用
 それぞれの「水泳攻略カード」に「レベル(難易度)」を付け、段階的に泳力が向上するようにした。また、「運動のポイント」や「こんなふうになっていませんか?(運動を見る際の視点)」を付け、これを基に学び合いながら泳ぎを評価することができるようにした。
 今後も体育授業に「学び合い」を取り入れ、「21世紀型能力に示されている思考力」の向上を目指して研究を進めていく。