「児童が様々な音と新鮮な気持ちをもってかかわり、音の面白さに気付いたり、その響きや組合わせを楽しんだりしながら、様々な発想をもって音遊びをしたり即興的に表現したりする能力及び音を音楽へと構成していく能力を高める」ことが大切である。小学校学習指導要領解説音楽編においては、音楽づくりの活動の指導について以上のように明記されている。つまり、音を音楽へと構成することと同時に音と触れ合い様々な発想をもたせることが重要であるということである。
しかし、これまでの私の音楽づくりの授業では、思いや意図をもたせて音を音楽へと構成することに重点を置いた授業が多かった。その反面、音とたっぷり触れ合う活動が不十分であり、発想を十分に広げる前に音楽づくりに入ることが多かった。そこで、発想を十分に広げるために、音楽づくりの活動に即興的な表現活動を位置付ける。今回は音楽づくりの中の旋律づくりに絞った実践とする。
即興的な表現活動のどのような位置付け方が、旋律づくりにおいて発想を広げるために有効なのかを視点として、次の仮説と手だてで解決に迫った。
<仮説>
即興的な表現活動を位置付けることで、児童は様々な発想をもち、旋律をつくることができるだろう。
1 音を順番に増やした旋律づくり(中学年前期)
2 価値付けや旋律のモデル提示(中学年前期・中学年後期)
3 拍の流れに乗った表現活動(中学年後期)
即興的な表現活動を以上の3点の手だてを組み込んで行うことで、旋律づくりにおける発想を広げるための有効性を検証していきたい。