音楽の特徴を感じ取りながら、思いや意図をもって表現する学習を展開する上で、児童が主体的・創造的に学習に取り組むための指導が求められている。
昨年度までの実践では、練習メニュー表を提示し、児童がそれぞれのグループの課題解決に合った練習方法を選択して試す中で、自他の歌声を聴き合いながら、表現を高めていく姿を目指した。自分たちで選択した方法で練習する場面では主体的な姿が見られたが、その一方で、自他の歌声を聴き取る場面では追求において弱さが見られた。
そこで、児童が、自分の歌声を客観的に捉え、願う表現に高めようと主体的・創造的に取り組むために、楽曲を特徴付けている要素に着目した音と言葉を使って表現を可視化、共有化できるようにする。特に、研究対象の1年生では、次の2点を手だてとして、その有効性を検証していく。
1 互いの歌い方をまねる活動の組織
自分と仲間との歌声がぴったり合っているかいないかを聴き取るために、同じ旋律を交互唱したり、向かい合って歌ったりして互いの歌い方をまねる活動を行う。
2 表現を高めるための効果的な練習方法を選択する場の設定
自分と仲間との歌声が合っていない要因を、発音と音程、リズムから聴き取り、練習方法を選択して練習する。練習後に、練習の成果について話し合う。
児童がこのように歌いたいと思いをもち、自分の表現が高まったという実感が得られる歌唱活動を工夫し、実践を積み重ねていく。