2013年12月に文部科学省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」における「グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方」で、中学校では「身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う」とあり、それに対応した指導が求められる。
これまでの私の指導を振り返ると、生徒が相手の発話に応じて対話を続けるという活動がなされておらず、パターン・プラクティス化した活動にウエイトを置いていた。また、その活動は目標言語材料を習得させるための会話の活動にとどまっていて、コミュニケーションのための会話の活動ではなかった。その結果、生徒が単語や文法を理解できてもそれらをコミュニケーションの中で活用できていなかった。
そこで、コミュニケーション活動の指導方法を見直した。毎時間の帯活動としてショート・カンヴァセーションタイム(SCT)と名付けた時間を設け、「弾丸インプット」を行う。この「弾丸インプット」は質問とそれに対する答えから成り、さらにその発展練習として一方が質問し、もう一方は直接的な答えとそれに関連した文をもう一文言う。そして、単元ごとに話し相手が言った内容を考えた上で答え、さらに対話を続ける「ロールプレイ」を行う。それによって、自分の考えや思いを伝え合い、会話を続けられるようになるであろうと考えた。
生徒が自分の考えを述べることができるようなモデル対話を「弾丸インプット」で行い、そこで身に付けた事柄をもとに「ロールプレイ」をする。「弾丸インプット」を継続的に行うことで対話を続ける素地を養い、「ロールプレイ」で長い対話の「やりとり」(TurnTaking)ができることを目指した取組である。