教育データベース

2016.10.12

中学校

理科

下越

平成28年度

コンセプトマップを用いた根拠に基づく考えを引き出す指導の工夫

聖籠町立聖籠中学校 石井 喬志

 本研究で用いたコンセプトマップとは概念地図のことである。概念につけられている言葉を「概念ラベル」、そのつながりを表す言葉を「リンクワード」として、この2つを用いて図式で視覚的に表したものである。作成する活動を通して、語句と語句の関連性が整理され、既習事項の習得につながると考えた。また、本研究では科学的に探求する能力の考え方として、「根拠をもって自分の考えを表現すること」とし、それができていけば科学的に探求する能力の基礎と態度を育てられるとした。
 しかし、これまでの私自身の授業を振り返ると、一方的な知識の伝達になっていたり、観察・実験で考えをまとめる時間を十分に取らなかったりと科学的に探求する能力を育てるための授業とは言えなかった。そのため何のための観察・実験か分からずに活動を進めていたり、得られたデータをもとにした考えをまとめられなかったりしていた。結果として仮説や考察に対する考えの根拠ももてていない生徒が多かった。そこで、本研究では以下の手だてを講じ、研究を進めた。
1 既習事項を整理させるためのコンセプトマップの作成
 手順として、まずは各自で考えをまとめる。次に班で見せ合い、参考になったことを書き加えていくといった「個→グループ→個」といった流れを大切にして行った。
2 根拠に基づく考えを引き出す課題設定の工夫
 課題解決の際に、既習事項を用いて考えることができる課題設定を心掛けた。そうすることで、既習事項を整理したコンセプトマップを利用し、根拠を明確にして、自分の考えを述べられるように工夫した。
 これらの実践を通し、生徒の理解に対する自己評価や定期テストでの結果、そしてワークシートの記述にも変化が見られていった。生徒の中で既習事項が整理されていけば、既習事項を用いて新しい課題に対して取り組もうとする姿勢が育まれ、根拠に基づく考え方を引き出せると言えるであろう。