国立教育政策研究所が示した、「教育課程の編成に関する基礎的研究」の報告書において“21世紀型能力”が提案され、これからの教育の課題として、「知識・技能の習得だけでなく、日常生活において、知識・技能を活用して問題を解決できる力」を育成することが重要だと言われてる。そこで単元の終末に、身近な自然や日常生活の中にある自然事象とのかかわりを設定し、学び得たことを活用する生徒を育成するために次の3点の手だてを講じた。
1 学び得たことを活用するための課題の設定
単元を通して学習してきたことを、身近なものに目を向け、活用するための場を設定した。またそれをグループでの課題解決に努めた。
2 仲間とのかかわりを通して、理解を深め、新しい発見ができるための工夫
グループでまとめる活動を通して、考えを交流させて、課題解決をするために話合いを行った。また他のグループとの交流の時間を確保し、意見交流から理解を深め、新しい発見ができる場を設定した。
3 自分の見方や考え方が変化した視点について考える個の振り返り
学習前の日常生活での見方と学習後の見方を自分の言葉で振り返る活動を取り入れ、グループごとに交流させ、見方や考え方が変化した視点を基にグループの発表を行った。
日常生活の中に、理科の学習で養うことができる「もの」の見方や考え方を生かせる場面はたくさんある。知識だけでなく、実際の生活の中で考えたり、活用したりすることができる理科教育を、今後の研究で目指していく。