これからの児童の学習の在り方として望まれるのは、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを目指す「アクティブ・ラーニング」であると言われている。そのための指導の方法等を充実させていくことが求められている。
今年度、「グループ学習の充実」をテーマとして研究を進めている。石田淳一氏は、「学び合いのある算数授業づくりに取り組む上で、グループ学習は欠かせない。」と、グループ学習の重要性を説いている。
しかし、グループ学習の質が高くなければ、算数の得意な一部の児童が主導権をにぎって課題を解決し、グループの全員が理解しないまま学習が進んでしまいがちである。一方、算数の苦手な児童は、分からないことを同じグループの児童にそのことを伝えることができずに学習が進むことから、個人で問題を解く場面になると手が止まってしまうことがある。課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを実現するためには、グループ学習の質をいち早く高める必要がある。
グループ学習を行わせる時に、まずは授業者が「グループ学習のもつ役割や質」を十分に理解する必要がある。そして、「ねらいをはっきりさせたグループ学習」「1単位時間のグループ学習の取り入れ方の工夫」を行うことで、児童に横のつながりが構築され、課題発見・解決に向けた主体的・対話的で深い学びに変化すると考えた。
本研究では、思ったこと・分からないこと・相談したいこと・自分の考えなどを自由に書き込むことができ、かつその情報が常に開かれた状態となる「つぶやき君(共有シート)」を、グループに1枚ずつ配付する。児童一人一人の思考が明確になる「つぶやき君(共有シート)」を用いることが、グループ学習の質の高まりに有効であったか否かを明らかにする。