学習指導要領解説国語編3・4年生の「書くこと」においては、相手や目的に応じ、調べたことなどが伝わるように、段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに、工夫をしながら書こうとする態度を育てることが重要であると述べられている。
しかし、書くこと自体に抵抗感をもっている児童がいる。また、工夫して書こうとせずにただなんとなく書けばいいと考えている児童も多い。
そこで、児童にモデル文を提示し、その文を真似しながら書かせることで書くことに対する抵抗感をなくそうとした。回を重ねるごとに書くことに対する抵抗感が減ってくるとともに、文のイメージをつかむことができた。しかし、工夫して相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝えようとすることに課題が残った。
その課題を解決するために、文章構成を理解させ、その理解のもと文章構成を考えて表現できるようにする必要がある。そこで、目指す児童を次の2つに設定した。
1 「始め-中-終わり」の文章構成で文が書ける児童
2 文章構成の仕組みに適した内容で文が書ける児童
そして、相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童を育成するために2つの手だてを行った。
ア 児童が文章構成を理解しやすいように、自作のモデル文を児童に示す。
イ 児童が文章構成を意識して書くように、バラバラ説明文の修復活動を何度も繰り返す。
自作のモデル文を提示したことにより、文章構成の基本の型を模倣し、「始め-中-終わり」の文章構成で書くことができた。このことは、モデル文と児童の説明文の構成が同じになっていることからも分かる。また、バラバラの説明文の修復活動を何度も繰り返したことによって、「始め-中-終わり」の文章構成の仕組みを学習し、その仕組みに適した内容の文章を書くことができた。特に中の具体的な例を書く場面では、時系列で示したり、身近なものから身近でないものという順番で相手に分かりやすく書いたりすることができるようになった。