教育データベース

2016.10.11

小学校

特別支援教育

下越

平成28年度

「自己理解」の視点を大切にした自立活動の取組

新発田市立外ヶ輪小学校 大滝 西一郎

 私は、特別支援学級を担任している。特別支援学級では、特に個々の児童の教育的ニーズや実態に合わせた指導・支援が大切である。児童の実態に合わせた教育活動を支える特徴の1つとして、自立活動が挙げられる。自立活動とは、特別支援学校の教育課程において特別に設けられた指導領域であるが、特別支援学級においても、児童の実態に応じて自立活動を取り入れた特別な教育課程を編成することができると位置付けられている。
 これまでも、児童の実態を考え、それに合わせて自立活動の取組を行ってきた。手先が不器用な児童、あいさつが苦手な児童に対して練習の場を設定することで、それぞれの児童の力の高まりを感じることができた。児童は、教師の指示に対して素直に取り組むことが多かったが、主体的に活動に取り組む中で、自らの成長に喜びを感じたり、自己の課題を意識して行動したりする姿はなかなか見られなかった。教師が活動を指示し、児童がそれに落ち着いて取り組むことで力を付けていけばよいという意識が強かったこともあるが、児童自身にも「こうなりたい」というめあてや目標をもたせる工夫が足りなかったと振り返る。
 児童が自立に向けて成長していくためには、自らの得手不得手を理解し、主体的に活動に取り組むことで力を付けていくことが大切である。そのためにも、「自己理解」を深める工夫が必要だったと考える。児童が自己理解の視点をもって気持ちを言葉で伝えたり成長を振り返ったりする活動に取り組むことで、情緒的に安定し、安心して学校生活を送る力を高めることができると考える。以上のような自立活動の取組について提案する。