外国語活動では、児童が本気で話したい、聞きたいという目的意識がなければ、進んでコミュニケーションを図ろうとはしない。
本研究では、目的意識をもち、進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成するために、以下の2つの手立てを考え実践を行った。
1 児童が自分から進んで、話したい、聞きたいと思えるように、単元の終末には本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動を設定する。
2 児童が「本物を取り入れたコミュニケーション活動」に自信をもって臨むことができるような、スモールステップの慣れ親しみの活動を設定する。
なお「本物」を以下のように定義した。
① 実際のもの
② 児童の本心(話したいこと、聞きたいこと 等)の表現
実際に自分の口の中に入ったり、手に入ったりする本物があると、児童の本気度が圧倒的に高くなった。できる限り実際の物を活動に取り入れて実践することが望ましい。
児童が本当に話したり、聞いたりしたいことは何なのかを見極めて、授業者が目的意識をはっきりもたせることができれば、児童は進んでコミュニケーションを図ろうとすることも明らかになった。またコミュニケーションをとる相手は学級の友だち、ALT(外国の人)、教師、家族、上級生(6年生)と様々に活動を設定することができる。ALTの出番を工夫する等して、更に生きた英語でのコミュニケーション活動を設定していくことが今後の課題である。
終末の本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動にいたるまでに、スモールステップで慣れ親しめる活動を設定していくことは有効であった。(児童の活動の様子や自己評価から)
Hi
,friends!1に示されてある活動はあくまでも例であり、それをアレンジしたり、あるいは別の活動に置き換えたりして、いかに児童の興味関心を引き、楽しく活動できるようにしていくかが、児童の普段の姿を知っている担任の工夫できるところであると考える。できるだけルールが分かりやすく、おもしろいゲームを組織する。また、表現を繰り返し聞いたり、言ったりすることができる活動を引き続き開発していきたい。