教育データベース

2015.10.21

小学校

総合

平成27年度

児童の課題意識を高めるファシリテーションの在り方

胎内市立中条小学校 神田 章

総合的な学習の時間においては、自ら課題を見付け、自ら課題を解決する力の育成が求められている。そのために、課題意識を高めることが重要である。課題意識を高めるとは、問題を自分事として捉え、「どうしても解決したい」という必要感を伴う強い意識にまで高まったことと捉える。
  このような意識にまで児童の意識を高めることこそ、主体的な追求活動を促すと考える。課題意識は、体験活動や教師の指示、声掛けのみで高まっていくものではない。体験活動後に児童から出される考えは、あいまいなものが多く、そのまま活動に及んでも、児童の活動は停滞するからである。課題意識は、児童の漠然とした考えを具体的にしたり(拡散)、広がりすぎた考えを焦点付けたり(収束)することによって、児童の自発的な問いを連続させることで高まっていく。児童の自発的な問いを連続させるために、体験活動後に児童の考えの具体化と焦点化を繰り返す話合い活動をいかに充実させるかが重要であると考えた。
  そこで、本研究では、ファシリテーションをその手だてとして用いた。ファシリテーションは、児童の思考の可視化が可能であり、考えの具体化と焦点化の場面でその効果を発揮することができるとともに、児童が互いに意見を述べ合うという方法によって、協働的な話合い活動を促すことができると考えた。ファシリテーションによって、児童の考えを具体化・焦点化し、協働的な話合い活動を促すことで、課題意識を高めていくことを意図した。本研究では、児童の思考を具体化したり、焦点付けたりする場面でファシリテーションを用いることの指導効果を検証した。

<参考文献>
「信頼ベースのクラスをつくる よくわかる学級ファシリテーション② 子どもホワイトボード・ミーティング編」 岩瀬直樹・ちょんせいこ 解放出版社 2011
「みんなが主役!わくわくファシリテーション授業」 にいがたファシリテーション授業研究会 新潟日報事業社 2013