環境教育では、「体験的な活動の重視」と「身近な問題に目を向け、身近な活動から始める」ことをねらいとしている。本研究では、技術科教育の生物育成に関する技術において、環境教育との関わりを意識した教材と学習過程を開発、実践した。内容設定の理由は、環境保全について、授業の中で意識し、実践している例も多いが、改めて時代に合わせた環境保全の取組が必要であると感じていた。その中で、生徒一人一人の日常生活の過ごし方の違いが、環境に大きな影響を与えていることに気付かせ、持続可能な社会を目指す姿を育てたいと考えた。
単元の構成は、以下の通りである。(全5時間)
<1時間目>小単元名「作物の栽培と水との関わりを知ろう 」
水への関心を高めるために、身のまわりの水について考えさせた。ここでは、生徒の学習意欲を高めるためゲーム形式で学習を行った。その後、新潟水俣病を例にあげ、水俣病とはどのようなもので、なぜ起こり、その影響はどのようなものだったのかについて考えさせた。そして、水は作物に多大な影響を与えることを学習した。
<2、3時間目>小単元名「われら水質調査員」
実際に身近な水の水質調査をパックテストで行い、調査記録をまとめて発表し、今後の生活を見直す視点をもつことを主な学習活動とした。さらに、現代の水の洗浄技術や海外の水との比較等も行った。その後、パックテストで得られた値を確認して、それらの水を用いてのスプラウト栽培を用いた栽培実験を行った。
<4時間目>小単元名「立派なカイワレダイコン生産者になろう」
栽培実験の観察記録発表を行い、作物の栽培と水の関係をまとめた。その後、身のまわりの環境について学習し、今までとこれからの生活について考えた。
<5時間目>小単元名「環境改善案発表会」
自分が考えたことをグループ内で出し合い、グループでの意見をまとめ、発表した。その後、作物と水の関係を考えながら、持続可能な社会について考え、まとめた。