教育データベース

2015.01.26

平成26年度

通常学級における特別な教育的支援を要する児童の問題行動に対するアセスメント及び支援の在り方

十日町市立東小学校 林 浩一

 本研究では,授業中に問題行動を示す注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)が疑われる小学生の対象児に対して,応用行動分析学に基づいた個別支援を行い,その後対象児が交流する学級に対してクラスワイドな支援を導入した。その背景として,これまでの対象児の問題行動に起因する人間関係の希薄さが挙げられるからである。まず,対象児に対して個別支援を行ったところ,問題行動が減少し,さらに対象児の学級適応においても望ましい変容がみられた。次に,クラスワイドな支援の結果,対象児と他児とのかかわりが増加し,双方の学級適応が高まった。以上のことから,本研究で用いた,応用行動分析学に基づいた個別支援を行った上でクラスワイドな支援を導入するという支援の方向性は妥当であったと言える。
 実際に連携するにあたって、以下の段階をとおして支援を進めた。
<問題行動の改善に向けて>
① これから支援していく問題行動を特定する
② どうしてその問題行動が起こるのか探る
③ 個別の支援計画を作成し、支援を進める
<児童の学級適応に向けて>
④ 個別でのSSTを実施する
⑤ 同様のスキルについて交流学級でもSSTを実施する
⑥ スキルが定着するために、集団での強化を行う

<参考文献>
特別支援教育を支える行動コンサルテーション―連携と協働を実現するためのシステ ムと技法 加藤哲文 大石幸二 学苑社 2002
スクールワイドPBS 学校全体で取り組むポジティブな行動支援 ディアンヌA.クローン ロバートH.ホーナー 二瓶社 2013