特別活動は目標において,「望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図る」ことを掲げている。
しかしその一方で,学級が集団としてまとまることが難しい時代になってきている。実際,私自身が担任する学級を見ても,自分の思いを表現することに苦手意識をもつ児童や,安易に相手を責めたり否定したりする児童が存在し,児童が自然形成的に集団としてまとまっていく姿を期待することは難しいように感じる。さらに,この実感は,学年や地域を問わず,多くの学級担任から耳にする声でもある。つまり,「望ましい集団活動」を進めていくためには,その前提条件としての「学級集団づくり」を戦略的に進めていかなければならない時代になったと言えるのではないだろうか。
児童一人一人の心身の調和のとれた発達や個性の伸長を図るために,まずは望ましい学級集団づくりに取り組むことが重要であると捉えた。そして,学級集団づくりには,以下の3つの理由から学級活動を中核にした取組が有効であると考えた。
① 話し合いが成立する人間関係を築くための素地づくりが,学級集団づくりの土壌となっていく。
② 身近な生活上の問題について話し合う場面で,どの子にも同じように発言の機会を与えることで,どの子にも所属感や達成感を味わわせることができる。
③ 全ての学級において,指導内容を共通化することで,全校体制で学級集団づくりを推進することが可能である。
学級集団づくりの柱に学級活動を据え,それを全校体制で推進について研究を進め,成果と課題を明らかにした。