教育データベース

2014.10.25

中学校

新潟

平成26年度

「教育実践」 計測・制御の学習における言語活動の設定とその工夫

新潟市立上山中学校 倉島 陽介

言語活動の充実は、各教科等を貫く重要な視点となっている。技術・家庭科における言語活動としては言葉だけではなく、設計図や献立表といった図表及び衣食住やものづくりに関する概念などを用いて考えたり、説明したりすることもあげられる。そこで、本研究では技術・家庭科の技術分野における内容D情報に関する技術の項目(3)プログラムによる計測・制御の学習場面で実践に取り組んだ。また、以下のような仮説を立て、実践の中で手立てを講じ、その検証を試みた。
 仮説は、「図表やフローチャートを使って計測・制御のプログラムがどのように利用されているかを考え、他者へ説明することで、目的や条件に応じた情報処理の手順を理解することができる。」である。また、手立ては、①言語活動と関連づけたプログラム作成ソフト及び教材の選択②話し合いを保障した課題追求活動③興味・関心を高め思考を深める教具の活用の3つである。
 これらの手立てを実践して、次のような成果が得られた。
 手立て①では、プログラム学習用ロボットビュートレーサー(ヴィストン株式会社)を選択することで、フローチャートからプログラムを作成できるソフトウェアを利用した。これにより、生徒はフローチャートを適切に用いることができるようになった。
 手立て②では、生徒はまわりと相談しながら課題に取り組み、検討を重ねてプログラムを作成する姿が見られた。
 手立て③では、ホワイトボードとマグネットを利用した自作の教具を活用することで、自分の考えを試行錯誤しながらまとめ上げてまわりに説明する姿が見られた。
 検証では、アンケート調査から学習内容への興味・関心の向上が確認され、わかるようになった・できるようになったという理解度の高まりも見られた。また、ワークシートの記述内容や授業の見取りからは、言語活動への肯定的な意見や生徒の発言やコミュニケーションの場面増加も確認できた。