本研究は、学習指導要領で示す言語活動の「話す」領域に焦点を絞り、「自分の考えや気持ち、事実などを聞き手に正しく伝えること」ができる生徒の育成を目指したものである。
この姿を実現するために、私は4つの手立てを考え、実践を行った。
1つ目は「音読の工夫」である。生徒の中には英語を使って会話をしようとすると、怖じ気づいてしまったり、恥ずかしがって流ちょうに話せなかったりする姿が見られる。自分の考えを相手に伝え、自分が知っていることを知らない人に伝えるには、まずは声量やコミュニケーションを図ろうとする態度が必要だと考え、様々な読み方で楽しく英文を読む方法を試みた。
2つ目は「Q&Aリストを用いて、定型の疑問文に答える練習」である。聞き手はリストを見ながら練習し、慣れてきたら答えの英文を見ずに、話し手を見ながら英語で対話するようにした。また、話し手も英文を自分の聞きたいことにアレンジしたり、プラスワンの文章を加えて会話を持続、発展させたりするように促した。
3つ目は、「円滑に会話をつなげるためのスキルを身に付けること」である。相手に自分の伝えたいことが上手く伝わらないことは実際の会話でも多く起こる。そんな時に、どのように会話をつなげば良いかを知り、相手の立場に立って会話を続けることを学習した。
そして最後は、「ペアによるインタビュー活動」である。授業内にペア活動を主体としたインタビュー活動を意識して取り入れると同時に、生徒の興味・関心をひくテーマ設定にしたり、インフォメーションギャップのように必要感に迫られるような課題設定を行ったりする事で、話す力の育成を目指した。
「正しさ」については、中学校の英語学習初期においては内容面を重視し、学習が進むにつれて文法面も求めていくものとして実践を行った。これらの手立てを講じて、生徒の姿が目標とする姿にどの程度、近づいているのかを検証する。