私は、子どもたちが友だちとかかわる中で、よりよい考え方やきまりをつくり出す算数授業を目指して日々の指導を行ってきた。私のこれまでの指導では、互いの考え方のよい所を発表させたり、「速く・簡単に・正確に」できる方法を発表させたりしてきた。しかし、それでは感想に近い発表で終わってしまうことが多く、創造的な交流活動をすることができなかった。
そこで、互いの考えを比較し、共通点や相違点を分析することが、よりよい考え方やきまりをつくり出すといった数学的な考え方の育成につながると考え、本研究を進めることにした。そして、次のような段階と方法を明確にした交流活動を手立てとして、実践を行った。
① 互いの考え方への理解(グループ)
互いの考え方への理解を目的とする。自分の記述を見せ合いながら交流を行う。自分にない考え方は赤鉛筆で加筆・修正する。
② 考え方の分類と整理(全体)
考え方の分類と整理を目的とする。考え方を黒板に示し、それぞれの考え方に名前をつけるなどして、整理を行う。
③ 共通点と相違点の発見(グループ+個人)
共通点と相違点の発見を目的とする。黒板に示された考え方を比較して、似ているところ、違うところをグループの友だちと見つけ出し、ノートに書き出す。
④ よりよい考え方やきまりをつくる(全体)
似ているところ、違うところを整理して、よりよい考え方やきまりをつくり出す。
9月に行う2年「水のかさ」では、「2Lと18dL」など、単位がそろっていない場合のかさの比べ方について学習する。この学習を通して、子どもたちが、かさを比べるためのきまりをつくり出していく姿、きまりのよさに気付き、類題に活用していく姿を目指したい。