教育データベース

2014.10.25

中学校

国語

中越

平成26年度

根拠と理由を明確にして読む生徒の育成 

見附市立見附中学校 木原 貴徳

昨年度4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果を見ると、特に国語B(活用)の正答率は全国的にも高い水準にあった。しかし、今年度4月に実施した同調査の結果から、全国平均をやや上回る程度であり、相対的にみると、学力は低下していると言える。観点別では、「読む能力」が他の観点に比べてやや弱い。
 設問別に見ると、“描写に注意して読み、内容を理解する”“目的に応じて必要な情報を読み取る”“表現の仕方に注意して読み、その効果を考える”などで正答率が低い。これらを総合して考えると、複数の読みの観点を与え、根拠と理由を明確にして読み取る学習を、本校の研究主題である学び合いを活用したかかわりのある言語活動を通して行っていけば、確かな学力を育成できるのではないかと考えた。
 私のこれまでの学習指導は、全員一斉の講義形式→個人による読み→全体交流→教師のまとめの提示によるものが多かった。その結果、発言力のある生徒の意見を鵜呑みにしたり、ひたすら板書を書き写したりと学習に消極的な生徒も多く見られた。この反省点に立ち、国語科の単元構成の過程では、言語活動の目的意識の醸成、動機付け、何のために読むのか、学習者に動機付けをどう図るかが重要になる。
 その際に、学習集団の中の自他の「ずれ」をきっかけとして、「誰の考えが、本当は正しいのか」「根拠を吟味しよう」という問題意識が生まれ、読む技術を主体的に獲得するようになると考え、上記の主題を設定した。
 本研究では、昨年度実践した「故郷」と今年度実践する「風の唄」(新しい国語3 東京書籍)での実践をもとに、自他の「ずれ」を生む発問の要件は何か、問題点は何かをまとめ、提案したい。