どの子も、資料を引用して事実と意見を区別した意見文を書くことができるスキルを身に付けさせることが必要である。そのためには、資料の引用から意見の書き方までの具体的な「型」を示すことが、意見文を全員が書くための支援になると考えた。
○実践単元 6学年国語「平和について考える」
○学習内容
平和について自分の意見をもち、資料を引用して裏付けしたり、反論想定をしたりして、自分の意見が説得力をもつように文章を書く。
○指導の工夫
「型」を取り入れたモデル文を提示し、引用の仕方や書く内容を押さえる。
○子どもに指導する「型」
・双括型の三段構成文(序論・本論・結論)
・本論の引用部分の型
「指摘(引用)―受け止め(価値付け)―意見(解釈)」の順に文章を書くようにした。
- - - - - -(児童に提示した本論の引用部分)- - - - - -
この考えのきっかけとなったのが、沖縄で出会ったおばあさんの言葉だ。【指摘】
おばあさんは、わたしに、
「戦争は人が人でなくなった時に起こる。」【引用】
と教えてくれた。確かに、人の命を奪ったり、街や家に爆弾を落としたりすることは、思いやりの心をもった人には、できないだろう。【受け止め・価値付け】 だから、人間らしい心、人を思いやれる心を私たちがなくさないことが平和につながると思う。【意見・解釈】
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○指導の成果
・「指摘(引用)―受け止め(価値付け)―意見(解釈)」の型を意識させるため、色分けした付箋を活用することで「型」が視覚化され、より引用を用いた意見文を書く上で有効であると考える。
・「型」を取り入れたモデル文を参考に、資料に合った書き方にアレンジを加える児童も見られた。「型」の使用により、事実と意見を区別するだけでなく、本論の文章内容が深まった。