教育データベース

2014.10.24

小学校

算数・数学

情報教育

新潟

平成26年度

ICTを活用した授業の研究

新潟市立巻北小学校 大関 正人

情報教育の在り方に大きな波が押し寄せ始めている。全国ではタブレット端末を授業に活用する数々の実証実験が行われており,身の回りでも,にわかに導入の動きが始まっている。タブレット端末の利点は,指先だけで直感的に操作ができることをはじめ,使う場所を選ばないこと,起動までの時間が短いことなどが挙げられる。
 それらの利点を生かしたICT活用の授業の研究に算数を取り上げた。算数は,図と式を結びつけて考える場面がたくさんあるものの,なかなか指導が難しい教科である。結果的に,計算問題を解くことならば得意であるが,演算決定をすることを苦手とする児童が少なくない。特に,割合の学習では,公式をせっかく覚えても,「比べられる量」が何で,「もとにする量」が何かが分からなければ,公式を使うことができない。
 そこで,学習者自らに,数量間の関係を構築していく過程をタブレット端末上で試行錯誤させ,その効果を検証した。
 授業では,「1(倍)はどこか」という考え方が児童の声から多く聞かれ,「比べられる量」や「もとにする量」といった用語はほとんど使われなかった。タブレット端末のデジタルテープ図と4マス関係表が上手にリンクしたことで,児童のもっていた「関係をとらえることの難しさ」や,「用語の意味を理解することへの負担」が減っていき,公式にこだわらなくても立式することが可能になった。
 本研究の授業スタイルから,「児童が必要と感じた時に,それを使って考えてみる」というスタイルへシフトすることが児童のニーズにより近付くと考える。どの学習のどの場面でどのような使い方をすればタブレット端末がより有効に働くのかをさらに追究していきたい。