教育データベース

2014.10.24

小学校

特別活動

学級経営

下越

平成26年度

多様な感情表出を促す構成的グループエンカウンターの在り方

村上市立保内小学校 海津 健太

1 主題設定の理由
 児童が安心して学校生活を送るためには、自分らしさ、友達らしさに対して受容的な学級風土を形成していく事が必要である。そのために、学級経営に構成的グループエンカウンターを取り入れ、実践を積んできた。構成的グループエンカウンターの草分けである國分康孝がその著書において、「エンカウンターとは何か。心とこころのふれあいである。ホンネとホンネの交流である。(國分
,1981)」と述べているように、エンカウンターの本質はホンネの交流にあり、シェアリングにおいて児童が自分たちの感情を表出することは大変重要なことであると考える。
 しかし、これまでの実践を振り返ると、思うように児童の感想を引き出せなかったり、ねらいたい部分と異なる感想が出たりして、シェアリングの内容が深まらないまま終わることが多くあった。「自由に感想を交流する」というこれまでの手法では、感想を述べる際に児童の視点が分散してしまい、かえって児童の感情が表出されにくい可能性があると考えた。
 そこで、シェアリングの時間に教師の側から「何について、どのように話すか(感想を書くか)」という条件を設定することで、児童の感情表出を促すことができるかどうかを検証したいと考え、本主題を設定した。
2 研究仮説
 構成的グループエンカウンターのシェアリングにおいて、教師が話し方の条件を設定することによって、児童の感情表出を促すことができるであろう。
3 研究内容
 ①条件設定をせずにシェアリングを行い、ワークシートの記述から感情表出の割合を算出する。
 ②条件設定をしてシェアリングを行い、前回と今回でどのように感情表出の割合が異なるかを分析する。
4 検証方法
 ①児童のワークシートの記述を「感情表出あり」「感情表出なし」に分類。各項目の記述数や全体の割合を分析する。
 ②エンカウンター後の振り返り用紙の数値がどのように変化したかを分析する。
 ③抽出児童の感想の変容やシェアリング時の様子について記録・分析する。

<参考文献>
國分康孝(1981)『エンカウンター 心とこころのふれあい』誠信書房
國分康孝・片野智治(2001)『構成的グループエンカウンターの原理と進め方-リーダーのためのガイド-』誠信書房
國分康孝・吉田隆江・加勇田修士・大関健道・朝日朋子・國分久子(2001)『エンカウンタースキルアップ ホンネで語る「リーダーブック」』図書文化