@学力向上を図るためには,日々の授業改善を組織的に行っていくことが求められる。
当校のような大規模校においては,授業を改善するにあたり,次のようなことが課題となっている。
● 授業改善についての趣旨と推進する方法の共通理解が難しい。
● 職員の転出入も多く,研修の成果が積み上がっていきにくい。
● 授業研修の大研では,代表者が偏りがちとなる。小研はスケジュール設定の難しさがあることに加え,外部講師からの指導を受けられないため新たな知見を得にくい。授業研修が「やって終わり」となりがちであり,授業を公開したことが確実に授業改善につながっていると言えない。
授業改善の趣旨と推進の方法をどのように共通理解するか。研修が確実に授業改善につながるようにするためにはどうしたらよいか。これらの課題を解決するために当校の従来の研修システムを見直し,授業改善をやり切るシステムを確立する必要があると考えた。
本発表において 「研修システム」とは,(1)研修の目標設定と評価,(2)授業研修,(3)授業研修以外の職員研修の3つを指す。
(1)の「研修の目標設定と評価」では,授業改善に確実につながる目標項目を精選し,ゴールイメージを職員にも示し,達成状況が可視化できるものに改善する。
(2)の授業研修では,大研,小研の授業研修の形ではなく,新潟市の「計画訪問」に準じた形で,短い時間であっても全員が外部指導講師から参観を受け指導を受けることができるものに改善する。
(3)の授業研修以外の職員研修では,「学習課題とまとめの設定の意義や具体的な方法」「板書研修」「UDL」など当校の授業改善のために必要な研修を,①での達成状況を確認しつつ設定し,授業改善の趣旨や研修の積み上げを図ることをねらう。
上記の3つを組み合わせ方を工夫し,「授業改善をやり切る」ことをねらう。「授業改善をやり切る」とは,授業改善に継続して取り組み,確実に研修の成果を積み上げていくことを指す。