教育データベース

2013.09.26

小学校

新潟

平成25年度

系統性をもった小・中学校5か年の家庭科教育の創造

新潟市立大通小学校 渡辺 明子

 学習指導要領の改訂で小学校と中学校の内容の系統性や連続性を重視し、生涯にわたる家庭生活の基盤となる能力と実践的な態度を育成する観点から内容構成がA~D同一の枠組みになった。

 家庭科においても小・中を見通した指導をすることは必須課題である。五年生で家庭科の学習を始めた児童の5年後の自立した姿をイメージし、それぞれの場面で学ぶべき基礎的・基本的事項を明確にする。さらに小・中の教師が互いに連携をとりながら指導する姿につなげる必要があると考えた。

 そこで,授業を核にした次の3点を手立てとして小・中5か年の系統性をもった家庭科指導のあり方を探った。

○中学校区においての小・中の教師間の交流

 それぞれの校種の特性を理解し,校種を越えた授業の改善を図るために小・中の交流会を行う。その際に,児童・生徒の実態や互い学校の学習指導の重点(研究主題など)、取組の概要を確認する。

○教科経営案の作成

   教科の基礎的・基本的な学習内容の確かな定着に向けた教科経営案を作成する。内容は5か年の指導計画の系統性を明確にしたり、評価規準を比較し,学習内容の違いや連続性を明確にしたりする。

○授業の実践

 教科経営案に基づいた5か年の系統性をもたせ、さらに児童生徒の実態に即した指導の構想をし授業改善を図る。指導のポイントとしては子どもの課題意識を連続させるストーリー性を大切にする。科学的な体験活動を取り入れることで児童が実感をともなった理解をし実践に結びつけやすくする。課題解決の方法を探っていく過程がわかるように、学習全体図を作成する。そこにも5年生での学習したことや中学校で学習することも加える。

 取組の成果として、教科経営案を作成することを通して小・中の相互の学習内容の理解を深め,小学校での指導内容と中学校での指導内容がどのようなつながりをしているのか明らかにできた。そのことは、小学校の基礎的・基本的な学習内容を明確にでき、焦点づけた授業づくりや児童の5か年のストーリー性をもった学習へと結びつけることができた。