私は、現在、特別支援学級の担任をしている。児童は生活単元学習に興味・関心を示して活動しているが、知識やスキルを十分身に付けさせることができないでいた。軽度知的障がいの児童が学校卒業後、地域の中で生活してくために必要な知識やスキル、習慣などを学校教育において可能なだけ身に付けておくことが重要であると考えている。
生活単元学習は、このような知識やスキル、習慣などを身につけるために最も適した指導形態であると思われるので、指導内容を設定する際には、将来の地域生活をしっかり見据えることが重要であると考えた。
そこで、今回は生活単元学習の中で特に金銭指導に焦点を当てて取り組むことにした。その理由をいくつか述べる。
金銭指導には、
①どの段階の児童でもできる。
②算数科の力をのばすことができる。
③「スモールステップ」で児童の課題が見え、成長が分かる。
④金銭処理は、児童が実際の生活の中で経験している、あるいは将来の生活の中で経験するであろう活動であり、児童にとって取り組みやすい学習内容であるため生活の中で活かすことができる。
などのよさがあると考えたからである。