学校は「小さな社会」とよく言われる。社会生活を営むためには生徒相互がより好ましい人間関係を築いていく必要がある。しかし、当校の学区には小規模な学校ばかりで、学級編成による集団の移り変わりがほとんど見られない。そのため、小学校段階から少しずつ築き上げられた人間関係に縛られ、新たな人間関係を築くことを苦手にしている生徒が多くいる。これを解決するために、異年齢集団による交流を計画的に仕掛け、学年という横の関係から縦の関係へと目を移していけば、上級生としての自覚や責任、下級生としての役割を考え、生徒同士の密接なかかわりを通し、人間関係について気づいたり学んだりしていけると考えた。
これを受け、生徒会活動から「よりよいリーダー的な姿を効果的に示すピア・サポート活動」を意図的に組織し、「①リーダー条件の分析」、「②リーダー条件の精査」、「③リーダースキルの抽出」、「④リーダー育成の場の確保」と段階を踏んで取り組んできた。
その結果、リーダーの自己有用感が高まり、後輩もその姿を見て憧れる様子が見られるようになった。また、異年齢集団で安心して活動することができるようになった。