器械運動は,他の運動領域に比べできる,できないの差がはっきりと分かる領域である。また,技を行っている時の動きも分かりにくく,技ができたのか,どこを直せばよいのか分かりにくい運動でもある。よって,運動技能の低い児童にとっては,自分の課題が分からず,楽しさや技ができた達成感を味わえないまま授業を終えることとなる。
そこで本実践では,次のような手立てで授業を行い,達成感を味わわせたいと考える。
①場の工夫:個人技能の習熟だけでなく,友だちと技を合わせたり,グループの友だちと一緒に技を行ったりする。
②ゴールの設定:単元の最後には,グループで演技を発表することを伝え,練習する必要感を与える。
③「見つけたよ伝言板」の設置:連続技や友だちとの組み合わせ技,ペアやグループで演技をするには,いろいろな工夫が考えられる。そこで,その練習での気づきや発見を書き込める伝言板を用意し,技のコツをみんなで共有できるようにする。
④ペア・グループ学習を行う:単元を通して,ペアやグループでの活動を取り入れ,お互いの技を見合うことで,良いところを話し合ったり,アドバイスをし合ったりし,課題解決=技能の向上を図っていく。
さらに,達成感を検証する方法として,次の二つの方法で行う。
①単元の始めとグループ演技を終えたときにアンケートをとり,技や演技ができたときの達成感を子どもの記述から見取る。
②毎時間の学習カードの振り返りから,授業評価を行い検証する。